幾つになっても惑ってばかり

日々思ったこと、本や映画の感想やアニメなど趣味の話を脈絡なく綴っています

幸福幻想

中村うさぎとマツコの人生対談、
「幸福幻想」を読みました。



うさぎさんは10代から「自立」を
人生目標として生きてきたそうですが
ある程度それが果たされた時に、
言い知れぬ虚無感に襲われて
「買い物依存症」に。
そこからの、
ホストに貢ぎ→幾度も整形、そして豊胸
→デリヘル嬢となかなかの遍歴を持つ強者。


しかしながら、50代半ばで脳神経の病に倒れ、
今は介助を受けないとひとりで歩けない障害を
負ってしまいます。


「自立」を目指して生きてきた人間が
ひとりで生きていけない身体になったわけです。
人の助けなしに生きていけない状態というのは
私にとって非常に屈辱的で、本気で自殺を考えた。


でも、未遂に終わり旦那さんに酷く心配を掛け
傷つけてしまったのを見て


とりあえず「死にたいけど生きていよう」
という気持ちになった。


死にたいけど生きていよう、というのは
よく分かります。
生きるって本当しんどいとつくづく思います。



人生相談なので様々な悩みを持つ読者からの
相談に答えているんですが、


生きている以上、幸せにおびえる思いは
ついて回ると思うけど、その克服法というのは、
私にはわからない。
ただ、それはあなただけじゃないよ
ということは伝えたい。
だからもう自分はそういう人間なんだ
と受け止めればいいの。
あなた以外の人だって、成功や幸せに
安住してるとは限らない。
みんな何かしらおびえているの。
だから、安心してそういう自分を受け入れてね。


生きてる以上、みんな何かしらおびえていて
それは自分だけじゃない
というのは心強い言葉です。
鬱に陥るとどうしても自分だけが
ダメなように感じて無力感に襲われて、
生きていく気力が失われてしまうから。



そもそも人間なんて、毎日毎日、
「なんであんなこと言っちゃったんだろう」とか、
「こんなはずじゃなかったのに」って思いながら
生きてるわけじゃない?


他人と自分を比べてる限り、幸せにはなれないんだから、
自分の幸せに邁進してほしいね。


平等というものは「人を幸福にするけど、
別の地獄に突き落とされる」といった側面もあると、
認めるべきなのよ。
自由や平等には必ず別の地獄が用意されてるの。
地獄のない理想郷なんてないって、
そろそろみんな、気づこうよ。


いや、本当そうですよね。
でも生きていくことに一生懸命になりすぎて
そういうことを忘れてしまう。
頑張ってるのに報われないと
周りのみんなは上手く生きているように見えて
つい被害者意識を持ってしまう。



以降、他に心に響いた文章など
いくつか挙げさせて頂きます。


「私の気持ちをわかってくれなかった」
って、わかってくれないのは当然でしょ、
他人なんだから。
あなたの気持ちはあなた自身がちゃんと
言語化しなかったら、
他人にわかるはずないじゃない。


これは本当そう。
でも気持ちを言語化するってしんどいけど
とても大切だと思うんです。
自分の混沌とした考えが言語化することで
整理されるし、悩みの本質に気付きやすくもなります。



「あなたの正義はあなたの正義でしかない」
ということ。それを常に自分に
言い聞かせてほしいわね。


これは最近よく思います。
私は正義感が強めなので、つい
私のこの行動や思いはみんなも良いと思うはず
伝わるはずと思いがちだけど、
独りよがりの可能性もあるということを
最近常に思うようになったし、
思うようにしています。



職場なんかを含めどんなコミュニティーでも、
今までと同じままでは生きづらくなってくる
タイミングがあるから、その時は自分のあり方を
変えなきゃいけないこともある。
自分を嫌いになったり追い込んでしまったりするくらいなら、
自分を外から見て、笑いにできる視点を持てたら楽になるよ。


これも思います。
自分を変えなきゃいけない時ありますよね。
でもどんどん変えていきたいとも思います。
柔軟性大事。
そしてユーモアも大事。
ユーモアは生きるうえで最強の武器である
どこかで見た覚えがありますが、
やっぱりつらいことも客観的に観て
笑いに変えて生きていった方が結果的に
楽に生きられるんじゃないかなと思います。