幾つになっても惑ってばかり

日々思ったこと、本や映画の感想やアニメなど趣味の話を脈絡なく綴っています

すずめの戸締まり

「すずめの戸締まり」観てきました。


かなり辛口な感想になってしまうので
大好きな方は読まない方が無難です。





どうも私は新海さんの描くロマンが
肌に合わないらしい。
もちろん映像は変わらず繊細で
背景までため息が漏れるほど美しいし、
キャラデザインだって好みなのに。


ちなみに私は庵野秀明さんのロマンも
合いません。テレビ版→映画と見続けて
でもいまいちエヴァの面白さが分からなくて
悔しかったんですが、映画を何作か見て
やっとそもそも合わないことに気付いて
スッキリしました。


て、話戻しますね。


そもそも、ずっと前に映画館で
最初の予告を見た時はもっと明るくて
娯楽的な話かと思っていたんです。


だって野外にドアだけがぽつんとあって
女の子がその前にいる、なんての見たら
私の脳裏に浮かぶのは「どこでもドア」
そこから想像したのは、女の子がドアから
見知らぬ世界をあちこち旅する話なのかなと。


でも全く違いました。
全然シリアス。だって主人公のすずめは
幼少時に起きた3.11の震災で
母を亡くした女の子。


今回の物語は主に3つのテーマがあって
・主人公すずめの成長物語
・草太とのラブストーリー
・日本各地で起こる災害を防いでいく


なんですが、その他にも
ロードムービーでもあり、
廃墟問題にも触れ、更に母の妹、
つまり叔母さんに育てられて
その叔母さんとの微妙な感情の行き違いも
描かれていて情報多すぎ、
メッセージ性がありすぎ、
と、欲張りすぎた結果、散漫な印象に。


でも圧倒的な映像美を前にすると
のまれてしまって細かいことは
良いかとも思ってしまうんですが、
どうしても1つだけ。


サダイジンと呼ばれる黒猫が現れたとき、
叔母さんが黒い感情を吐露して、
すずめと喧嘩になるんだけど
てっきり悪い奴だと思ったんですよ。
でもその後を見てると、みみずと呼ばれる
災害の化身に身を呈して防ぎに行くので
敵では無いことがわかります。
というかむしろ、神さまでした。


観終わって、あのシーンは何だったのか
不思議だったのでネットで調べてみたら
すずめがダイジンと呼ばれる白猫に
最初「うちの子になる?」と不用意に
無責任に言ったことと、
叔母さんが震災で1人になったすずめに
「うちの子になろう」と言ったのと同じ
という暗喩だったみたいなんですが、


分かりづらすぎる~!!


そもそも子猫に「うちの子になる?」
とかけた言葉がそんな暗喩までして
無責任だと伝えたかったのだろうか。
要は昨今問題になっている
ペットを可愛いからって安易に飼って
飼えなくなったら捨てる、
のは悪いことだよと伝えたかったのか。
他に叔母さんの気持ちも分かってやれよ
も含まれてるのか。


にしても、すずめがそれに気付いたような
モノローグは無かったような気がするので
何とも。


でも「君の名は。」「天気の子」にあった
ヒロインに付加されたあざといシーンが
私には微妙に感じていたので
それが無かっただけでも良かったです。


今回文句ばかりで申し訳ない。
でも世では大絶賛されてるので、
ほんの一握りの絶賛ではない感想を
どうか大目に見てやってくださいませ。