ババヤガの夜
右うでのテニス肘が治らないので
あきらめて整形外科へ行ってきました。
そこは予約制ではなく相当待つと言われたので
腰を据えて読めるようこちらの本を持参。
極道の会長の一人娘で人形のように美しい尚子は、
生活を厳しく監視され不自由な生活を送っていた。
喧嘩の腕を買われた新道依子は彼女の
ボディーガード兼運転手となるが、
依子は尚子を縛り付ける過酷な秘密を知る
私はバイオレンス系は怖くて陰惨なので
普段は手に取ることはないんですが
シスターフッド系だということで
試しに読んでみました。
面白い!そして読みやすい!
ハードボイルドものって言い回しも独特なので
読みづらいイメージがあったんですが
こちらは紙面も程よい文量だし
何より文体が読みやすい。好き。
なので病院にいた時間3時間で
読み終えることができました。
ちなみにあらすじだけ見ると
ラノベやマンガっぽい感じがしますが
さすが英国のダガー賞を受賞しただけあって
読みやすいけど、ファンタジックでも
ロマンチックでもなく
割とリアルに近い感じです。
作者の王谷 昌(おうたに あきら)さんも
おっしゃってますが、
「物理的に女性が男性を凌駕するのはまあまあ
難しいことだと思うんですけども、フィクション
の中ならやれるなと思った。小説の中でなら、
どんな人でも、いかようにも、暴れさせることができる」
暴力に魅せられている新道依子は
ロシア系の血が流れていてガタイも大きい。
幼いころから祖父から武術を仕込まれ
祖母からはスラブ民族(おそらくロシア)
の昔話、ババヤガ(=鬼婆)の話を
何度も聞かされて育ちます。
外国の血が流れているせいか
めっぽうケンカに強くて
ヤクザの男たち相手に暴れまくります。
しかし多勢に無勢。結局捕まって
屋敷に連れていかれ結果、お嬢さまの
ボディガードをすることに。
最初はか弱いイメージだったお嬢さまが
丁寧な言葉で悪態をつき、とても
抑圧された日々を送ってることが
わかってきます。
読み進めていくうちに、
2人が救われる道があるのか
希望が見えなくて胸がきゅうって
締め付けられます。
まあでもここまではよくある流れなんですが
後半がちょっと驚きの展開というか。
お嬢さまの尚子がそっちで
依子がこっちなんだ!
なんだかバウンドを思い出しました。
(マトリックスの監督作品。名作です!
ジーナ・ガーションがかっこいいんですよ)
男女間だと役割って決まってしまいがちだけど
同性間だと男らしいも女らしいも
守る守られるも人間の関係性によって
変わるよねって。
依子と尚子はシフターフッド(女性同士の連帯、
絆、支え合い)ですが、特に後半は
ソウルメイト(魂の伴侶、仲間)になっていく感じがします。
映像化されたらどんな感じになるんだろう。
というか、映像化できるのか?
ミスリード部分もあるし。
あと依子をできる日本人の女優さんいなさそう。

(隙あらばフリベキ入れてくるよ。油断大敵ね。
ババヤガの依子は拳銃は使わず拳ですが)

