幾つになっても惑ってばかり

日々思ったこと、本や映画の感想やアニメなど趣味の話を脈絡なく綴っています

虎に翼が面白い

今クールの朝ドラ「虎に翼」が面白い。


なんて言いつつ、1週目は見逃してしまったのだけど。
(なので昨日やってた一週間分の再放送録画しました!)
2週目から見続けています。


まず、OPの米津玄師の曲も良い。
映像も良い感じ↓




私は耳が遠いので、ここ2、3年はドラマを
見るとき字幕スーパーをONにしてるんですが
ついつい歌詞に目がいってしまって、
テロップに目がいかなくていつまでも
演者の名前が覚えられず困っちゃうくらい。
(歯車マーク左横の字幕ONにすれば歌詞みれます↓)




いろんなニュースサイトを見ると
あちこちで言われてるのが
今までの朝ドラとはひと味違うところ。


朝ドラのヒロインといえば
明るくて感情的でおてんばで
ちょっとドジがセオリー。


そもそも、そういった性質が描かれる
子供時代が無い。
1話目から伊藤沙莉。
話が早くて良い。


そして、今回のヒロインは
納得いかないことがあっても
感情露わにワーワーわめかない。
落ち着いたハスキーボイスで
「はて?」と一言。


これは新鮮ですよ。


そして女性たちの「スンッ」


石田ゆり子が演じる「控えめで優しいけど、
芯が強くいざという時は強くしっかり者の母」
理想の母親像に見えるけど、このテンプレがいかに
男性にとって都合がいい存在かを暴き出したことが傑作。


なぜならこの「理想の母」は、
「表では控えめに自分を立ててくれて、
実務は全てやってほしい」という
男性の理想を詰め込んだ存在だからだ。
この男性の希望に適応する、

または適応するしかなかった女性たちのことを
『虎に翼』では「スンッ」という一言で表現している
(引用はこちら


ほんとこれ。
私は以前から芸能界等で浮気した夫に対して
妻が「私は全然気にしてません」とか
寛容であることが「良い女」と
もてはやされるのが納得いかなかったんです。


良い女かー?
男に都合がいいだけの女じゃないのかー?


そもそも浮気されて傷ついてる状態で
更に塩を塗り込むようなインタビューを
受けなきゃいけない圧もおかしいし、
理性的で寛容的な妻が良いという
圧もおかしい。


でも世間の希望に適応するしかない
これこそが「スンッ」という言葉で
表されていているんですよね。


あと「女の敵は女」みたいな
単純な作りになってないのも良い。
男を追い詰めるような我の強い面倒な女は
女同士で潰しあってくれれば
男性にとって都合が良いですからね。


まあこれは男女限らないんですけどね。
私だって男性側の考えが理解できるし。
ほら、自分にとって面倒な人は
面倒な人同士で潰しあってくれたら
ラッキーじゃないですか。
私もよくクレーマー同士で
潰しあってくれたらいいのになぁ
って夢見ますもん。


だから自分にもそういうずるい部分があると
自覚的になることが大事かなと。
じゃないと、誰かにとって都合のいい
作為的な思惑に乗っかっちゃって
他人の悪口や文句ばかり言ってると
足元すくわれるから気を付けようと思ったり。


とにかく。
役者さんたちの演技力も確かだし
何より脚本が秀逸!
今後も楽しみ。


最近は史実の悪い部分は描かれないことが多いですが
そういう部分も上手に描いてほしいです。