幾つになっても惑ってばかり

日々思ったこと、本や映画の感想やアニメなど趣味の話を脈絡なく綴っています

それでも旅に出るカフェ

ときどき旅に出るカフェ」の続編、
「それでも旅に出るカフェ」を読みました。



久しぶりに奈良さんと円に会えて
嬉しかったんですが、前作と比べると
読後感としては微妙かな。


というのも、2人の物語が表面的というか。
もちろん接点はあるんですよ。
物語はカフェ・ルーズで始まり解決するし。
でも2人の物語がない。


前作の最後に出てきた円の同性の恋人の
存在も全く触れられていないし、
奈良さんは毎回ずっとコロナのことばかり
気にしている。


だから主役2人の生活に深みがなくて、
短編ゲストの話だけがさらさらと流れていく。


そして円は何故だか探偵みたいになってるし、
フェミニズムを感じさせる発言も多い。
同じ女性として共感する言葉も多いんだけど、
ミステリと言う勿れ」でも思ったんだけど
言ってることは間違ってなくても、あまりくどいと
正論なだけに周りが引いてしまうというか。


つくづく正論ってやつは繊細で
取り扱い注意の代物だなと思ったりします。


ネガティブな感想になってしまいましたが、
そんななかで私が思わずうなずいたのが
こちら。


こちらがうれしくなる、気が楽になることを
言ってもらえてると感じるときは、たぶん、
相手の方がこちらに気を配ってくれているのだ。
若い頃は、そのことになかなか気づけなかったし、
たぶん、気づかない人は一生気づかないままだろう。


私も同じこと思ってた!
若い時みたいに本当に気の合う仲間だけで
盛り上がってたときは、双方ともが
楽しんでいたんだと思う。
それが一番理想の付き合い方だけど、
年を重ねるごとにいつからか
思うようになったんです。
ひょっとすると
自分が、今日楽しかったなと思う時って
相手が自分に合わせてくれてたからなのかも
しれないなって。


もちろん相手は「気にし過ぎー、
そんな我慢してないよ」て
思ってるかもしれないけど、
でもきっとそういう一面もあるかも
しれないということは
人間関係を長続きさせるために
知っておくことは大事かもしれない。


あとは他愛のない会話を
英語ではスモールトークという話。


私も若い時は世間話が苦手でした。
もっと本質的な実のある話がしたかったから
形式的で表面的な会話なんて
時間の無駄だと思ってました。


でもこちらも年を重ねて変わりました。


スモールトーク大事。


毎回がっつり相手との仲を
深めようとするのは大変だし
相手だってそこまで思っていない。


挨拶や簡単な世間話を交わして
自分や相手を互いに見知ることによって
何かあったときに力になってもらえる。
そういうのも大人として大切だなって。


なんて色々と思いました。
次回作がもしあるなら、
ぜひ奈良さんと円の物語が読みたいです。